法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

法律論

決め手はネット書き込み?株価操縦で個人投資家に有罪判決

インターネット株取引で株価を不正に釣り上げたとして、個人投資家が金商法違反の罪で有罪になったとのニュースがありました。 刑罰は、懲役3年、執行猶予4年、罰金2000万円、追徴金約8200万円だそうです。 時事ドットコム:個人投資家の男に有罪…

ブロガーのための著作権法入門-引用編

ブログの記事自体が著作物であり、ブログの記事も何らかのコンテンツに言及することが多いと思われますので、ブロガーと著作権法の関係は切っても切り離せません。 基本的に、他人の著作物を利用する場合は権利者の許諾が必要です。もっとも、著作権法32条…

ブロガーが勉強しておきたい法律

プロブロガーなんて言葉が出てきてブロガーも一種の職業として認められつつあるのでしょうか。社会の認知度が上がるにつれて求められる成熟度も上がるのが常です。ブロガーもいつまでも無法地帯では許されず、最低限の法と世間のルールを強く守るよう圧力が…

年金分割制度からみた配偶者の理想の職業

3組に1組が離婚するといわれる現代においては、離婚後のライフプランを考えておくことも重要です。そのため、年金分割制度についての関心も高まってきています。 年金分割制度とは、婚姻期間中の年金記録を当事者間で分割し年金額に反映させる制度です。将…

DV証拠の残し方

2016.4.8改訂 説明するまでもないと思うが、DVとはドメスティック・バイオレンスの略で直訳すると家庭内暴力である。最近では、デートDVなどと称して恋人間のものも含まれるようだ。 DVは程度がひどければ、「その他婚姻を継続し難い重大な事…

恋人のメールをのぞき見する際は不正アクセス禁止法に注意

恋人の浮気を疑ってメールを覗き見することは世間では頻繁にあるらしい。離婚裁判においても、不貞行為の立証にメールが使われることは多い。 しかし、他人のメールを覗き見することはそもそもプライバシーの侵害であるし、場合によっては不正アクセス禁止法…

結婚する前に確認しておきたい法律上の離婚原因

契約をする際に解除原因を確認しておくことはビジネスにおいては常識だ。 結婚も婚姻契約という一つの契約である。とすれば、結婚をする際に解除原因たる法律上の離婚原因を確認しておくのは常識のはずである。 しかし、離婚とは一般的に最悪のケースであり…

裁判所に行ってみよう-初心者向け傍聴マニュアル

公民の授業で誰もが習う三権分立のうち司法権を担うのは裁判所である。しかし、裁判所というのは市民に身近ではなく、一生のうちに一度も裁判所を訪れない人もいるだろう。 裁判所といえども、憲法及び法律の範囲内で活動ができるにすぎないわけだが、憲法改…

交際数年目以降のカップルがおさえておきたい婚約の法律学

3~5年付き合ってそろそろ結婚かというカップルにおいて、彼女がゼクシィを読んでるとこを彼氏に見せつけ結婚を意識させたり、彼氏がそれに気づかないふりをするといったことはよく聞く話です。 子供もいらないし世間体も気にしないという男にとって、結婚…

ブロガー必読書籍-その「つぶやき」は犯罪です(新潮新書)

情報を発信するということは素晴らしい知的作業であり、現代はネットを介して誰もが平等に情報発信できる非常に恵まれた時代である。 他方で、違法なネット上の表現行為により人生を棒に振ってしまった人も数えきれないほどいる。彼らは極悪人なのかといえば…

刑事事件-被害者側の示談交渉術

被害弁償・示談について加害者側から書かれたものは多いですが、被害者側から書かれたものは少ないのでちょっと書いてみようと思います。自動車運転過失致傷みたいな交通事故はまた別なので、今回はそれは除きます。 加害者側から連絡がくるまでの流れ 逮捕…

裁判官の暴言は訴訟指揮の範囲内

裁判官が当事者に暴言を吐いて慰謝料3万円の支払いが認められた事例が以前ありました。つい最近のことだと思ってたのですが、もう高裁の判決まで出たようです。結果は裁判官側が逆転勝訴のようです。 民事訴訟で裁判官から暴言を吐かれたとして、長野県飯田…

内容証明郵便の出し方講座

内容証明郵便という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、実際に出したことがある人はなかなか少ないと思います。大抵の人は一生に1回あるかないかというところでしょう。僕自身、仕事ではしょっちゅう出しますが、プライベートでは一度も出したこ…

科目を減らすと勉強は楽になるのか

司法試験の択一の科目が現行の7科目から3科目になる法案が成立したようですね。ついでに3回の受験制限も5回に緩和されたようです。 司法試験の受験機会の制限を緩和する司法試験法改正案が28日、参院本会議で可決・成立した。法科大学院を修了した人が…

愛知県警本部警部がストーカー容疑

こんなニュースが入ってきました。 愛知県警本部に勤める男性警部(45)が、名古屋駅(名古屋市中村区)の構内で20代の女性につきまとったなどとして、県警がこの警部をストーカー規制法違反容疑で書類送検する方針を固めたことがわかった。懲戒処分も検…

弁護士を懲戒請求→3300万円の損害賠償請求

あらあらというニュースがまいこんできました。 匿名による情報提供サイト「和ネット」の投稿により名誉を傷つけられたなどとして、和歌山市で法律事務所を経営する男性弁護士が同サイトの管理人を相手取り、3300万円の損害賠償を求める訴えを和歌山地裁…

オーバーローン住宅の財産分与

以前にも書いたことがあるが離婚の際の財産分与の山場となるのは、住宅ローンの残った住宅の処理である。 渋々結婚する男性諸君はこれだけは覚えておこう - 法廷日記 財産分与請求権には、①清算的財産分与、②扶養的財産分与、③慰謝料的財産分与の要素がある…

民法の勉強法

昔から、民法を制する者は司法試験を制するなどと言われるように、民法は基礎的な法律であり、法律に携わる者であれば必須の分野である。 もし、仕事で法律に関わることがあり、空いた時間に法律を勉強したいという人は、まずは民法から基礎固めをすべきであ…

誠意とはお金を払うことであり、それには方法論はない

仕事上、交渉の相手方から誠意をみせろと言われることは多い。ヤクザがこの言葉を使う場合は、直訳すると「金を出せ。」ということを意味する。では、一般人がこの言葉を使った場合、誠意とは何を指しているのだろうか。その答えは、やはり「金を出せ。」で…

遠隔操作の片山氏が「真犯人」メールの送信を認める

昨日から行方不明になっていた片山さんは、弁護士事務所にあらわれたようです。無事でよかったですね。 一方で、さっそくこんなニュースも入ってきました。 パソコン(PC)の遠隔操作事件で、保釈中に連絡が取れなくなっていた元IT関連会社員、片山祐輔…

結婚のメリットを再検証してみる

僕は常々このブログでも書いているとおり、結婚にあまり価値を見出していない。そう考えている男性も増えていることだろう。 しかし果たして本当に結婚にメリットはないのか。もう一度冷静になって考えてみようと思う。 社会的信用を得られる 僕の個人的実感…

法律家以外も気軽に読めるハーバードロースクールの教科書-数理法務概論

業界ではちょっと前に話題になっていた有斐閣の数理法務概論をようやく読み終えました。 数理法務概論 -- Analytical Methods for Lawyers posted with ヨメレバ ハウェル・ジャクソン,ルイ・キャプロー,スティーブン・シャベル,キップ・ビスクシィ,デビッド…

建物明渡にかかる費用-不動産を副業にしている人は必見

最近、周りでマンション経営を副業にする人が増えている気がしますね。うまく行っているときは安定収入になってよいかもしれませんが、ときにはトラブルも生じることには注意しておくべきでしょう。 特に、賃貸物件の場合、賃料不払いでなかなか出て行ってく…

結婚におけるリスク管理-女性の視点から

最近男性目線からの結婚のリスクを書いてきたが、何も結婚のリスクは男だけにあるものではない。女性側も決して安全ではない、それどころか女性側の方がリスクが高いのが現実である。 最近では、男性側も知恵をつけてきており、例えば妻に家計を全面的に任せ…

渋々結婚する男性諸君はこれだけは覚えておこう

昔にくらべ結婚にメリットを感じない男性は多くなった思う。実際、結婚するメリットなんて、子供ができた場合の世間体くらいじゃないだろうか。この世間体という価値観が変わるのも時間の問題だろう。 とはいえ、各方面からの圧力に屈し結婚せざるを得なくな…

ネットで名誉毀損や犯罪予告をやらかした人はさっさと自首するといいよ

こんなニュースがありました。 インターネット掲示板「2ちゃんねる」に弁護士の殺害予告を書き込んだとして、警視庁サイバー犯罪対策課は脅迫容疑で、岡山県真庭市勝山、派遣社員、☆☆容疑者(20)を逮捕した。同課によると、「殺害予告への反応が楽しみだ…

残業代請求するよりも職探しした方がよい件

最近「残業代」というものがホットなキーワードになっています。実際、残業代請求の事件っていうのは結構な数あって、残業代請求を積極的に宣伝している弁護士も結構います。 でも、残業代を請求することが果たして本当に本人のためになるかは疑問が生じると…

トイレ盗撮と成立する犯罪

法務省幹部が省内でトイレ盗撮をした疑いで事情聴取を受けているとのニュースが出ていますね。 法務省幹部を事情聴取 トイレで盗撮か NHKニュース この法務省幹部は、裁判官からの出向組のようです。裁判官がおこす事件は下系のものが多いですね。 盗撮をし…

モラルハザードを招きやすい国選弁護人の報酬設定

刑事弁護の弁護士には、国がつけてくれる国選弁護人と、自前で雇う私選弁護人とがいます。それぞれの報酬は、被疑者段階から判決まで依頼した場合、国選が15万円程度、私選が100万円程度です。 「私選と国選どっちがいいか?」と聞かれることが多々あり…

弁護士報酬とモラルハザード

保険をかけた場合、保険者は保険をかけていない人と比べて保険の対象となった損害への関心が薄くなり、損害発生のリスクが高まるという現象をモラルハザードといいます。 この概念は、保険の世界だけでなく、一般的な概念として使うことができます。 すなわ…