名著「働かないアリに意義がある」がkindleのニコニコカドカワフェアで62%オフになっていました。
進化生物学者の長谷川英祐氏の著書。一般向けの新書なので非常にくだけた調子で記述されています。
一般に働き者に例えられる働きアリですが、実際は7割がぼーっと休んでおり、1割は一生働かずに生涯を終えます。一見無駄に思える働かないアリですが、実はコロニーの存続には重要な存在です。
みんなが一斉に働けば労働効率はよくなりますが、そうするとみんなが疲れてしまったときに動けるアリがいなくなってしまいます。働かないアリたちは働き者のアリが疲れてしまったときの余力なのです。こういった余力がきちんと存在している方が労働効率が悪くとも組織は存続しやすくなります。
働かないアリの他にもアホなアリが存在します。
アリの行列をみたことがある人も多いと思いますが、あれは前のアリのフェロモンをたどって他のアリがついていく仕組みです。ところが、中にはフェロモンをたどれずに迷ってしまうお馬鹿なアリがいるようです。こんなアリみたいな人は人間の中にもたくさんいます。
しかし、このようなアリが、目的地までの近道を発見したりすることもあり、アホなアリが一定数いる方がコロニーの発展に役に立つことがわかっています。
本書は、こんな面白いアリの研究がつまっており大変おすすめです。