法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

年末は含み損を抱えた株を売れ

アメリカ大統領選による株と為替の乱高下により大儲けした人も多いのではないでしょうか。中にはいまだに含み損を抱えた株をお持ちの方もいることでしょう。

ところで、今年も早いもので残り1か月半です。そろそろ税金のことなども意識しなければなりません。もし今年は株で利益がでているという場合は、含み損を抱えた株の売却を検討すべきでしょう。

株の税率は20.315%

現在株の譲渡益に対する税率は復興特別所得税を含めて20.315%です。100万円儲けたら20万3150円も税金で取られてしまいます。株で資産運用をしようとする人にとっては税金は決して無視できない存在です。

損失を確定させて税金を減らす

税金を減らすもっとも基本的な作戦は、利益を減らすことです。ん、利益を減らしては意味がないではないかと思われた人もいるでしょう。基本的にはその考えは正しいです。しかし、含み損を抱えた株を持っている場合は、事実上損することなく利益を減らして税金を減らすことができます。

ある銘柄で含み損を抱えていた場合、そのまま年を越してもその含み損はその年の税金の算定では考慮されません。売却するまでは損するか得するか確定しないからです。そのため、資産的には減少していても、その年に確定した利益がある場合はその利益全部に税金がかかってしまいます。

では、含み損を抱えている株を売ってしまった場合はどうなるでしょうか。仮に現在の利益確定額を100万円とし、含み損を50万円抱えた株を持っている場合を想定します。このまま何もせずに年を越した場合は100万円の利益全額が課税対象となり、20万3150円が課税されます。これに対し、含み損を抱えた株を売って損失を確定させた場合は、100万円-50万円=50万円の利益が課税対象となり、税金は半額の10万1575円まで下がります。この場合、約10万円を節税できます。

売った株は買い直せばいい

含み損を抱えた株を売れば節税できるのは理解できたけど、その株は将来上がるはずだから持っていたいと思った人もいるかもしれません。含み損を抱えている時点で予測が外れているわけですから、将来上がるなんて幻想ですよと言いたいところですが今回それを議論するのはやめましょう。

話をもとに戻すと、含み損を抱えた株を持ち続けたいという人は、売った後に買い直せばいいです。そうすれば、節税はでき、株も持ち続けることができます。売買手数料はかかりますが、節税額に比べればどうということはないでしょう。ただし、売った当日中に買い直してしまうと、買い直し時の価格と当初購入時の価格の平均価格で購入し、売却したことにされてしまうので節税効果が弱まってしまいます。そのため、買い直しは翌日以降にする必要があります。

また、保有年数が優待の条件の株でこの手法を使うと優待の条件がリセットされてしまうので注意が必要です。

税金を考えることは銘柄選定と同じくらい重要

趣味で株をやっている人はどの株を買うかについては深い関心がありますが、税金についてまではあまり頭が回っていません。特に個人投資家は源泉徴収有の特定口座で株を運用している人がほとんどなので、税金が目に見えないというのも税金軽視の原因と思われます。

しかし、さきほどの例でみたように、損失を確定するタイミング次第でその年の税金が大幅に変わってきます。源泉徴収有の特定口座であれば、さきほどの例では株を売った段階で払い過ぎていた10万円の税金が戻ってきます。早い段階でキャッシュを増やせれば、それをさらに投資に回すことができ利益を上げることができます。

税金を踏まえ損失を確定するタイミングを選択することは、銘柄選定と同様に重要です。