映画「42 ~世界を変えた男~」を視ました。
42とは近代以降で初の黒人メジャーリーガー(*)のジャッキー・ロビンソンの背番号(永久欠番)です。
舞台は第2次世界大戦直後のアメリカ・メジャーリーグ。当時は黒人差別が根強く、メジャーリーグに黒人選手はいませんでした。そんな白人社会にジャッキー・ロビンソンは単身乗り込みます。
ロビンソンを支えたのはドジャースのGMブランチ・リッキー。白人である彼は、黒人差別に対しても毅然と対応し、ロビンソンを陰で支えていきます。そんなリッキーは、ロビンソンと契約する際ある約束をさせます。それは「仕返しをしない勇気をもつこと」でした。黒人差別が当たり前になっている社会では、ロビンソンと白人選手が喧嘩したら、ロビンソンが白人に罵声を浴びせているところだけがとりだたされてしまい、「これだから黒人は・・・」という論調になってしまいます。ロビンソンはこの約束を守り、差別をするような相手と同じレベルに立つのではなく、プレーで相手を認めさせることに徹します。最初はチームメイトもロビンソンを拒絶していましたが、やがて常に紳士的なロビンソンを認めるようになっていきます。
この映画では在特会もドン引きな感じで黒人差別がストレートに描かれています。そのため、見ていて気分を害してしまう人も出てしまうかもしれません。個人的に一番衝撃的だったのは、いかにも人のよさそうな子ども連れのお父さんが、子どもの目の前で当たり前のように差別用語を連発するシーンです。現代人が見れば、あまりにも衝撃的なシーンなわけですが、当時の人たちからみればこれが普通だったのでしょう。
僕たちが現在当然のように受け入れている行動のうち、未来からみれば衝撃的な差別シーンになるものがあるのかもしれませんね。
非常におすすめな映画です。
*厳密にいうとロビンソンの前にも黒人のメジャーリーガーはいました。