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法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

命の値段は人によって違う

どうでもいい日記 法律論

人身事故などによって被害者が死亡した場合、その被害者が生きていれば稼げたであろう収入相当額の損害賠償請求権が遺族などの相続人に認められる。法律的には死亡逸失利益などと呼ばれるものである。

この逸失利益の算定方法は以下の通りである。

  • 基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
  • 基礎収入額は原則として事故前の現実収入額である。
  • 生活費控除率は原則として30~50%の範囲で決められる。

ライプニッツ係数とは、中間利息を控除するための係数である。本来、働いたことによる生涯の収入は一度にもらえるものではなない。そのため、それを一度に渡すとなると、本来もらえるはずの時期までの間の利息を被害者は余分にもらえることになる。それを割り引くための係数がライプニッツ係数である。

上記の計算式で重要になるのは基礎収入部分である。この基礎収入額は原則として事故前の現実の収入額を基礎とするため、被害者の年収によって、算定される損害賠償額が大きく異なることになる。

例えば、40歳年収1500万円の医師と、40歳年収600万円のサラリーマンとでは以下のように算定される死亡逸失利益に差がでる。なお、40歳の就労可能年数は27年間であり、それに対応するライプニッツ係数は14.643である。

年収1500万円医師の死亡逸失利益

年収1500万円×(1-生活費控除率0.3)×14.643=1億5375万1500円

年収600万円サラリーマンの死亡逸失利益

年収600万円×(1-生活費控除率0.3)×14.643=6150万600円

ご覧のように、年収1500万円の医師の死亡逸失利益は約1億5000万円で、年収600万円サラリーマンの死亡逸失利益は約6000万円と、その差は2.5倍にもなる。これらの金額はまだ現実に稼いでいないものであるから、まさに命そのものに値段が付けられているといって過言ではない。

これがいいか悪いかは別として、上記のように死亡した被害者によって命の値段に差がつけられているのが現状である。