日本の刑事裁判制度はいわゆる三審制を採っており、第1審の判決に不満のある被告人または検察官は、上訴することができる。第1審の判決に不服があり第2審の裁判を求めることを控訴、第3審の裁判を求めることを上告という。
第1審の刑事裁判に対する控訴率はだいたい10パーセントでそのほとんどが被告人側からの控訴である。
被告人が控訴した場合、一審判決が破棄され結論が異なる率は、2000年から2011年の平均で約12パーセントである。
では、検察が控訴した場合で、一審判決が破棄される可能性はどれくらいあるのだろうか。
実は、検察が控訴した場合の一審判決の破棄率は約72パーセントと非常に高い数値になっているのだ(2000年から2011年の平均)。
検察官控訴の場合の一審判決破棄率の数字がこれだけ高い理由には、検察が控訴する事件を厳格に吟味しているということが大きい理由だろう。
逆にいえば、検察が吟味した上で控訴した事件というのは結論が異なる可能性が非常に高いといえる。被告人サイドとしては、1審で無罪になったとしても、検察に控訴されてしまってはなかなか安心できないのである。
ところで、3月5日に無罪判決が出た美濃加茂市長の収賄事件について、18日、検察は控訴をした。
検察が、控訴をしたということは、あくまで統計的には上級審で結論がひっくり返るという可能性が高いということになる。
統計数字の出典