恋人の浮気を疑ってメールを覗き見することは世間では頻繁にあるらしい。離婚裁判においても、不貞行為の立証にメールが使われることは多い。
しかし、他人のメールを覗き見することはそもそもプライバシーの侵害であるし、場合によっては不正アクセス禁止法に抵触する場合もあるので注意が必要だ。
まずは不正アクセス禁止法の条文を確認しよう。
同法2条4項1号によると不正アクセスとは、
アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該 アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理 者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)
をいう。
簡単にいうとIDやパスワードを入力しないとアクセスできない場所に、それらを使用してアクセスした場合に不正アクセスとなる。
例えば、彼女のgmailのIDとパスワードを利用して無断で彼女のgmailアカウントにログインした場合は不正アクセス行為となる。
不正アクセスをした場合の罰則について法11条は次のように定めている。
第三条の規定に違反した者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
刑罰としては、3年以下の懲役なのでそれほど大きな罪ではないが、前科や前歴がつくダメージは計り知れないので注意が必要だ。
浮気の証拠を見つけたと相手をつきつめたらかえって刑事告訴される可能性もあるので注意しよう。相手のパスワードがなんかの拍子でわかったとしても、安易に使わないことだ。なお、相手の使用しているスマフォやパソコンなどでパスワードが自動入力される場合でも本罪が成立すると考えられるだろう。
そもそも、浮気ができるということは相手の市場価値が高いということだ。誰からも必要とされない人間はそもそも浮気すらできない。メールをのぞき見するなど姑息なことはせずにどんと構えておこう。