法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

弁護士下腹部切断事件は傷害罪の量刑が妥当なのか

2015年夏、法曹界を震撼させた一大狂気事件がありました。

慶應ロースクール生による弁護士の下腹部切断事件です。

報道によると、とある男性弁護士(42)が事務所の事務員であった女(25)と肉体関係を持っていたことが女の夫であるロースクール生(24)に発覚し、夫が女を問いつめたところ、女が「強姦された」旨言い訳したとのこと。それに怒った夫が、男性弁護士の顔面を複数回殴打し、意識が朦朧とした男性弁護士のズボンを脱がし彼の大事なところを枝切りバサミで切断してしまいました。

弁護士下腹部切断 容疑者の妻は被害者から強姦されたと説明│NEWSポストセブン

男性諸君においては股間が縮み上がるような事件でしょう。事務所のセキュリティを見直した弁護士も多いのではないでしょうか。

ところで、この猟奇事件、ロースクール生の罪名は普通に行けば傷害罪になると思います。殺意の認定は難しそうなので、殺人未遂になる可能性は低いでしょうね。

傷害罪の法定刑は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

しかし、この事件、単純に傷害罪と考えるのが果たして適切なのでしょうか。

僕は女性ではないので、強姦された女性の気持ちはわかりませんが、珍宝切断は男性にとって強姦と同等のインパンクトのある犯罪ではないでしょうか。組織再生的に不可逆であることを考えれば強姦以上かもしれません。

ちなみに強姦致傷罪の法定刑は無期又は5年以上の懲役です。

強姦致傷に近い罪で、強制わいせつ致傷罪というものがありますが、そちらの法定刑は無期又は3年以上の懲役です。

今回、ロースクール生は男性弁護士のズボンを無理やり脱がせているので、なんとか強制わいせつ致傷まで罪名を上げることはできないかとも思いますが、それは困難です。

というのも、強制わいせつ罪はいわゆる傾向犯と呼ばれるもので、わいせつな目的がない限り成立しません。例えば、報復目的で被害者の女性を裸にして写真撮影をしても強制わいせつにはならないのです。

そうすると、やはり珍宝切断は傷害罪で処理するしかありません。

しかし、男性にとって最も大事といっても過言でない珍宝を切断する犯罪が、量刑の軽い傷害罪で処理されてしまうというのは男性にとって納得できる話ではありません。

珍宝切断罪を刑法に創設すべきです。