またまた、弁護士に不祥事の疑いです。
弁護士が判決文偽造した疑い 提訴装い着手金 大阪:朝日新聞デジタル
事件を受任して、提訴していないのにしたとごまかすために判決文を偽造するという大胆な手口です。前にも似たような事件がありましたよね。今回、だまし取られたとされる着手金は約1700万円とのこと。
僕は、この弁護士さんが最初からだますつもりで着手金を受け取ったのかどうかしりません。個人的には、最初からそんな大胆なことができる弁護士というのはあまりいないと思うので、最初はだますつもりはなくただ事件を放置してしまっていただけだったっていうこともありえるのかなぁと思います。
こういう事件をみるたびに思うのは、ミスをしたときは、初動が大変重要だということです。
今回のニュースとは関係ありませんが、こんな事態が生じたらどうでしょうか。
事件を受任したけれど、ちょっと忙しくて提訴をまだしていなかった。しびれをきらしたお客さんから提訴はどうなっているかと問い合わせを受けた。
このとき、提訴していないと正直に言ってしまうとお客さんに怒られてしまうでしょう。だからといって、提訴したとごまかすのは最悪なパターンです。一度そういう嘘をついてしまうと、あとからその嘘をごまかすために、さらに嘘をつくことになります。その最悪の結果が判決文の偽造です。
事件放置は、弁護士にとってひどいミスです。クレームをされたり、依頼を取りやめられたりするだけではなく、最悪の場合懲戒請求をされることもありえます。でも、ここでミスを明らかにして詫びるということから逃げてしまうと、さらなるひどい結果が待っています。
上のケースで、初動でしっかり対処していれば、最悪のケースは懲戒請求を受けてせいぜい戒告程度の処分になることです。普通はそこまでいくこともありません。しかし、嘘を塗り固めてごまかし続けたら、戒告程度では済みません。判決文の偽造までいったら普通はバッヂを失い、刑事事件にもなります。
ミスドの肉まん事件、船場吉兆等、過去の企業不祥事事件のほとんどは、最初のミスが大ダメージになったわけではありません。最初のミスに対する対応のまずさが大ダメージにつながっています。
ミスが発覚したときは、顧客にすぐにミスを開示した方が、結局はダメージが最も小さくすみます。