法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

重婚は犯罪なのか

アメリカで4人の女性と同時に結婚したとして、49歳の男性が逮捕されたとのニュースが入ってきた。

四重婚バレた米の49歳を逮捕 - 国際ニュース : nikkansports.com

彼の被疑事実は重婚罪と呼ばれる犯罪である。

この重婚罪だが、実は日本の刑法にも定められており、2年以下の懲役に処せられる罪だ。盗撮などの軽犯罪法や条例違反に比べてかなり重い罪である。

刑法184条

配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、二年以下の懲役に処する。その相手方となって婚姻をした者も、同様とする。

重婚罪は、一夫一婦制という民法上の婚姻制度を保護するものだと言われている。

もっとも、重婚罪でいう婚姻とは法律婚を意味し、いわゆる事実婚は含まれない。したがって、結婚した状態で別の異性と一緒に暮らしていたりしても、その異性を配偶者とした婚姻届などを提出していない限り重婚罪にはならない。

日本では戸籍制度がしっかりしているので、婚姻している状態で、新たに婚姻届を提出してもまず受理はされない。離婚届を出すのを忘れていて、うっかり新規の婚姻届を出してしまっても役所ではじかれるのでまず安心である。

重婚罪が成立する場合は、役所の人が何らかの手違いにより間違って婚姻届を受理してしまった場合や、離婚届を偽造して提出した後で新規の婚姻届を提出したというような極めて限定された場合に限られるだろう。

もちろん、法律上結婚していなければ何人の異性と事実上結婚状態にあっても犯罪にはならない。

重婚が犯罪というのはなんだか釈然としないが、戸籍制度を巻き込んでしまうのでやむをえないのだろう。