法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

固定電話で信用など得られない

個人が一台以上携帯電話を持つ時代には家庭用の固定電話の存在意義はない。今や固定電話を引いても、自宅にかかってくる電話はセールスかオレオレ詐欺の電話くらいである。FAXも同様だ。

いまだ根絶されない固定電話が必要だと主張する面々は、しばしば子どもの学校の連絡網に記載するのに必要などと主張する。

しかし、子どもの学校の連絡網でかかってくる電話なんて、せいぜい保護者の葬儀関係の電話だったり、災害で学校が休みになるときの電話くらいだろう。連絡網が使われることなど数年に1回あるかないかだ。

仮にかかってきても、専業主婦や親と同居世帯が減っている昨今、日中自宅の固定電話にかけても繋がらないことがほとんどだ。また、普段固定電話にはセールスくらいしか電話がかかってこないので、在宅していても固定電話をとらない家庭も多い。連絡網に記載するには、固定電話よりも携帯電話の方が実用的だ。

しかも、個人情報保護や保護者同士のトラブル回避の関係で学校の連絡網も今後廃止される可能性が高い。

固定電話に実用性がないのは、固定電話必要派も重々承知しているので、彼らが最後に持ち出すのは「信用」などという極めてあいまいなものになる。「信用」などというものは、不必要な商品を販売する際の常套売り文句であり、このような言葉が持ち出されること自体、固定電話が本来必要でないことの最たる証拠である。

しかし、固定電話で「信用」などというものを得られるということはない。

自宅に固定電話がなくても、ブラックカードは作れるし上場企業にも勤められる。もちろん借金だってできる。固定電話がないと、あれができないこれができないというのはほぼすべてデマといってよい。

固定電話必要派が主張する固定電話がないと「信用」が得られないとは、単に、他の部分で得られていない「信用」を固定電話がないことのせいにしているにすぎない。自分やその周囲の人間が「信用」を得られていないのを固定電話がないことのせいにしてしまうような、うすっぺらい人生しか送っていないことの方が問題である。