法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

ろくでなし子さんがまたまた逮捕、わいせつの基準がおかしい

ろくでなし子さんがまたまた逮捕されてしまったそうです。

Yahoo!ニュース - ろくでなし子容疑者また逮捕 女性器の3Dデータ配布容疑 (産経新聞)

ろくでなし子さんといえば、自分の性器を3Dプリンタ用データにして配ったことについて、わいせつ物頒布等の罪で逮捕されたことで一気に有名になりました。この容疑について、ろくでなし子さん側は3Dデータはわいせつ物ではなく芸術作品だと主張して争ってます。前回の逮捕後、いったん釈放されていたようですが、またまた逮捕されてしまったみたいです。今回は、ろくでなし子さんの作品を店のショーケースに飾っていた人もあわせて逮捕されてしまったとのこと。いったん警察にわいせつ認定されているのに飾ってしまうとは中々チャレンジャーな方ですね。

事実の有無ではなく、作品のわいせつ性で争っているろくでなし子さんが逃げたり証拠隠滅するとは考えにくいので、逮捕までしなくてもいいのになーと個人的には思います。今回警察はやけに必死ですね。

ところで、失礼な話、40オーバーのろくでなし子さんの性器の3Dデータにわいせつ性があるかといわれれば個人的には疑問に思います。なにがわいせつ物にあたるかについては、明確な線引きがあるわけではなく、判例の「徒らに性欲を興奮又は刺激せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するもの」といった定義で判断されることになっています。普通の人がこの定義を読んでも、何をいっているかわからないと思いますが、要は裁判所がわいせつと思うものがわいせつ物と思ってもらっていいでしょう。あってないような定義ですね。

現状では、局部にモザイクがかかっているか丸見えかが一種の判断基準になっています。そのため、警察は局部を正確に再現しているろくでなし子さんの3Dデータがわいせつ物にあたると判断しているのでしょう。しかし、現代において、わいせつ性を局部が見えているか否かに求めるのはナンセンスだと思います。

先ほどの判例の定義に立ち返ってみれば、ろくでなし子さんの性器の3Dデータとモザイク有の昨今のAVとを比べたら、どちらがいたずらに性欲を興奮又は刺激させるでしょうか。ろくでなし子さんには失礼ですが、私であれば圧倒的なまでに後者です。内容的にもハードなAVであれば、性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する点についてもAVに軍配があがるでしょう。しかし、現状、AVはモザイクがしっかりしていればわいせつ物とは認定されません。

そもそも、インターネットで少し調べればモザイクなしの局部がいくらでも表示される現在で、局部が見えてるか否かを気にするのは時代遅れです。わいせつ性というのは時代とともに変化するものですが(昔は小説の文章ですらわいせつ物と判断されていたことがありました。)、もはや局部が見えているか否かはわいせつ性の判断の重要な要素にはなりえないのではないでしょうか。

結局、局部が丸見えか否か(モザイクがかかっているか否か)が争点となることで、得をする人たちがいて、その人たちのためだけに今のモザイク基準が確立しているのではないかと疑ってしまいます。