日本の献血者数はピーク時の1985年に比べ、著しく減少しているらしい。特に若年層の献血率は減少が続いているとのことです。
そこで、日赤は一等地の高層ビルに献血センターを構えたり、軽食サービスや漫画や占いのサービスなどを提供したりして、献血者の確保に励んでいます。
日赤の営業努力もあってか、カフェ代わりに献血に訪れる若者もいるとか。
カジュアルな雰囲気の献血ですが、意外に健康被害のリスクが高いことはご存知でしょうか。
献血を実施する日本赤十字社によると、献血による健康被害は軽微なものを含め年間5~6万件で、総献血者数の1%にも上るそうです。
1%と聞くと低いようにも思えるかもしれませんが、年に4回献血する人が5年間献血して健康被害に遭う確率は2割弱にまでなります。
これは結構な確率でしょう。無料でカフェが使えるリターンとリスクが見合っているかといえば見合ってないといわざるを得ないでしょう。しかも、この数字は日赤が把握しているにすぎない数字ですから、実際はもっと多いかもしれません。
献血による健康被害に対しては献血者健康被害救済制度なるものが用意されています。
もっとも、後遺症が残るような健康被害で賠償額が高額になるようなケースでは、日赤が簡単に賠償を認めてくれるとは限りません。
現に、献血による健康被害の損害賠償を求める訴訟が過去にも複数おこされています。
カジュアルに利用しやすく、人助けにもなる献血ですが、献血者にとって100%安全なものでもないということは知っておいた方がよいでしょう。