法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

法律相談センターや区役所の法律相談はなぜ役に立たないのか

各県の弁護士会が運営している法律相談センターや区役所などの行政が運営している法律相談ってありますよね。使ったことがある人もいると思うのですが、正直どんな感想なのですかね。僕はあの手の法律相談所での法律相談ってあまり役に立たないと思うんですよね。

今って弁護士が即答できるような基本的な法律知識って誰でも簡単に調べられる時代です。なのでわざわざ法律相談に来る人たちって自分で調べてもよくわからない問題を相談にくるわけです。

で、弁護士にも各々得意分野があって、離婚が得意な弁護士、相続が得意な弁護士、刑事が得意な弁護士などなどいろんな弁護士がいるわけですね。昔はとりあえずなんでも扱っていた弁護士が多かったですが、最近は業務が偏在化している傾向が特に顕著だと思います。なので、各分野につき個々の弁護士に求められる知見のレベルが高くなっています。交通事故一つとっても、求められる業務水準は昔とは全然違うと思います。

ところが、法律相談センターとかの法律相談って弁護士の側からみるとぶっつけ本番で、どんな相談がくるか全くわかっていない状態です。せめて分野が特定されていればマシかもしれませんが、基本オープンで全方位から相談がきます。そんなすべての相談に満足できる回答が並みの弁護士にできるわけがないんですよね。まともな回答ができるのは、たまたま自分が詳しい分野の相談が来た時くらいじゃないでしょうか。

僕が相談を受けるのであったら、まず事前に相談概要をヒアリングしておいて、ポイントになりそうなところを調査してから相談に臨みます。それくらいしないと今の時代の顧客は相談に金を払う価値を見出せないと思います。まあ、たいていの法律事務所は事務所に来る相談についてはそれくらい準備していると思います。なので、パブリックの相談所に行くよりも、ネットで適当なところを探して相談に行った方がコスパはいいはずです。

ただ、ああいうパブリックな相談所って普通の法律事務所からは依頼を断られる人達の最後のよりどころ(たらい回しどころ)みたいな側面もあるので、なくなることはないと思います。