法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

募金詐欺、堂々と記者会見してメディアも騙される

なかなか大胆な募金詐欺行為が行われたようである。

6歳児の心臓移植「うそ」募金呼びかけた女性が謝罪 - 社会 : 日刊スポーツ

小学1年生の男児に心臓移植が必要であるとして、男児を救う会の代表の叔母が募金を募っていた件で、心臓移植が必要との事実は全くなく詐欺であったことが発覚した。叔母は、わざわざ厚労省の記者クラブで記者会見までし、一部メディアが募金呼びかけの報道をしてしまったようである。

男児やその両親は叔母による募金活動を全く知らなかったようであり、完全にとばっちりを受けた形らしい。報道では謝罪したというところで終わってしまっており、叔母の刑事立件については詳細が不明であるが、これは完全な詐欺罪である。悪質性も高く、既に相当額の入金がなされていたなら実刑も十分考えられる事案であろう。

ところで、単なる募金詐欺であれば足のつきにくい街頭募金でもやってればいいのにと思うところであるが、今回の被疑者は実在する甥の名を明らかにして記者会見までやっている。記者会見を利用しようという発想自体、なかなか素人では出てくるものではなく、おそろしく大胆な犯行である。

それにしても、今回の事件でマスコミの記者会見ベースの報道では全く裏付けなんてされていないことが明らかになった。今回の事件では、マスコミが両親に直接裏をとれば被疑者を後押しするような報道をしなくてすんだものの、全く裏付けをとっていないため見事に被疑者に利用されてしまった形になる。

マスコミの記者会見ベースの報道なんて信用できるものでなく、話半分に聞いておくべきものであることが本件により確認された。