法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

客の残飯を公園に捨てたうどん店の店主が逮捕、威力業務妨害の疑い

名古屋市名東区のうどん店「めん工房むらかみ」の店主が、客の残飯を公園に捨てたとして、威力業務妨害の被疑事実で逮捕された。

「めん工房むらかみ」は食べログで評判を見る限りなかなかの人気店のようである。

めん工房 むらかみ (めんこうぼう むらかみ) - 一社/うどん [食べログ]

むらかみの店主は、三年以上前から残飯を店から3キロ離れた矢田公園に捨てていたと供述しているらしい。

ところで、今回の被疑事実は威力業務妨害罪である。この報道を聞いた人は違和感を覚えるのではないだろうか。うどんをまき散らす行為が「威力なのか?」と思うのはもっともだ。

威力業務妨害罪は、「威力」を用いて人の業務を妨害する行為を罰する犯罪である。「威力」とは一般に、人の自由意思を制圧するに足る勢力の使用をいう。ばらまき系の行為で有名な事例としては、デパート食堂の配膳部に向かってしまへび20匹をまき散らした事例が威力業務妨害罪にあたるとした事例が有名だ。

それでは、公園にうどんをまき散らす行為は「威力」にあたるのだろうか。公園へのうどんのまき散らしは、さきほどの配膳部でのへびのまき散らしに比べ、いささか弱いと考えられる。もっとも、異臭のする残飯が大量にまかれていたら、誰しも「うわっ」と引いてしまうであろうから、分量しだいでは「威力」に該当する余地は十分にあるだろう。

しかし、警察としてはいきなり逮捕するのではなく、まずは警告等をして改善できなかったのであろうか。それとも、店主が警告等を一切無視していたのであろうか。