法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

鉄道会社は早急に車内防犯カメラを設置せよ

先日東京高裁で、痴漢の無罪判決が下された。

電車内「痴漢」、男性に逆転無罪 「被害者証言信用できず」|カナロコ|神奈川新聞ニュース

一審では有罪とされていたようで、高裁での逆転無罪判決ということになる。

この冤罪被害男性は、無罪になったとはいえ一審で有罪とされた風評は消えないし、周囲からは「本当は痴漢したのではないか」といった目でみられてしまう。何より、これまでの捜査や裁判で本来受けなくていい苦痛を受けた。冤罪の被害というものは実におそろしい。

被害者とされる女性も、誰かに痴漢されたこと自体が本当であったとしたら、真犯人がわからないままとなり実に無念な結果となる。

これだけ冤罪が叫ばれていても、痴漢事件の主な証拠は、いまだ被害者の証言と犯人の自白である。

しかし、あれだけ混雑している満員電車において被害者が確実に犯人を見分けられるかについては非常に疑問がある。また、腕利きの捜査官にかかれば例え無実の者であっても容易に自白をしてしまうことは過去の膨大な事例が証明している。

人の供述に頼った捜査・裁判という構造が変わらない限り冤罪被害がなくなることはない。それは同時に真犯人にとっては痴漢がやりやすい社会ということでもある。

痴漢事件に対して有力な客観証拠となりうるのはやはり車内防犯カメラの映像である。コンビニの防犯カメラの映像が窃盗や強盗などの事件の有力証拠であると同様に、車内防犯カメラの映像は痴漢事件でも実に有力な証拠になるだろう。そして、防犯カメラの存在は真犯人に対しては強力な抑止力になる。

防犯カメラの存在は、痴漢冤罪の防止に役立つだけでなく、痴漢被害の予防にもなるのだ。むしろ予防の効果が大きいくらいだろう。

たしかに、車内防犯カメラの設置には膨大なコストがかかる。しかし、提供するサービスの場において、これだけ痴漢被害や痴漢冤罪被害がおこっていることからすれば、それらの予防に努めるのはサービス提供者の責務であるといえよう。鉄道会社は満員電車の解消ができないのならば、せめて防犯カメラの設置くらいは行うべきである。

女性専用車両の設置など効果のない自己本位な営利目的の対策をやっている場合ではない。

女性専用車両はなぜなくならないのか? - 法廷日記