日本人は英語学習時間の割に英語が苦手と言われている。しかし、実際のところ、それなりにきちんと大学受験を経験した日本人のリーディング能力、リスニング能力は決して低くない。辞書があれば、ちょっとした英語のサイトや記事などは読めてしまう人がほとんどだろう。これは結構すごいことなのである。
日本人が苦手なのは英語のうち、英会話の能力である。英会話が苦手といっても、相手の言っていることを聴き取る能力は特に問題がない。問題なのは自ら言葉を発する能力なのである。この英会話能力のうち自ら言葉を発する能力が貧弱な理由としては、英作文能力が貧弱であることが考えられる。
日本の受験英語では、リーディング、リスニング、文法が重視され、英作文(ライティング)が軽視される傾向がある。学校の授業でも、それなりに量がある英語の本を日本語にすることは行っても、その逆は行われない。センター試験ではまともな英作文問題は出題されないし、国立2次試験でも、せいぜい数行の英作文が出題されるといったところがほとんどである。
日本人はリーディング・リスニング能力の高さに対し、圧倒的に英作文能力が低いのである。中学レベルの英文法しか使わない英作文でも、苦手とする者がほとんどであろう。
例えば、次の日本文を瞬時に英文にすることができるだろうか。
あれは面白い本ですか? はい、そうです。
彼女はどこでギターを弾いているの?
一年は何か月ですか?
これらはいずれも中学1年レベルの文法しか使われていないが、一瞬で英語化しろと言われれば結構難しいと感じる人が多いだろう。もちろん多少時間をかければできるという人がほとんどであろうが、英会話においては、その時間をかけることができないのである。
このように日本人は中学1年レベルの文章ですら、瞬間的に英作文を作る能力が低すぎるのである。
逆にさっきの文を英語から日本語化することは瞬間的にできるだろう。
Is that an interesting book? Yes, it is.
Where is she playing the guitar?
How many months are there in a year?
このように日本人の英語能力はリーディングに特化しすぎているのである。
日本人が英会話の能力を手っ取り早く上げるには、英作文能力を鍛えるべきである。それも中学レベルの文法しか使わないような簡単な文章で十分である。
中学レベルの英作文能力を鍛える教材としては、既に森沢洋介氏の瞬間英作文が定番となっている。
この本に載っているような簡単な日本文をサクサク瞬間的に英文にすることができるようになれば、あなたの英会話能力は劇的に伸びることになるだろう。