法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

スカイプ法律相談が流行らない理由

現在、スカイプ英会話は競争が激化していますね。個人的には知名度も資金力もあるDMMなんかが勝ち残っていきそうな気がします。

ところで、スカイプ英会話が流行っているのに比べて、スカイプ法律相談というのはあまり流行っていません。サービスを提供しているところ自体はあるみたいですが、あまり一般化はしていませんね。

日本初!Skypeでいつでも法律相談できるサービス「LAW TALK」8月1日公開 ~法律事務所に出向く時間・手間・費用を解決!~|プレスリリース配信サービス【@Press:アットプレス】

僕は今後もスカイプ法律相談は一般化しないと思います。というのもスカイプ法律相談は供給側からすれば儲からないし、利用者からしても需要がないからです。

スカイプ法律相談は儲からない

一般的な法律相談の価格は税抜きで30分5000円が相場です。この5000円の中には、事務所の応接室などの雰囲気料が含まれています。この恩恵を受けられないスカイプ法律相談では、普段のタイムチャージが3万円を超えているような売れっ子弁護士でもない限り、顧客は通常の料金より安い金額しか払う気にはなりません。実際、上で紹介したスカイプ法律相談サービスの料金も現在30分2980円(税抜)となっています。これでも、既に多くの法律事務所で対面で無料の法律相談が受けられる昨今では高い印象です。

仮に30分3000円程度でサービスを提供した場合、その弁護士の1時間当たりの売上は6000円にしかなりません。1時間6000円の仕事をしていては、その弁護士が1ヶ月に160時間働いても月商96万円にしかなりません。経費を引いたら普通のサラリーマン以下の利益しか残らないでしょう。こんな儲からない仕事を積極的にやろうという人が出てくるわけがありません。

そもそも法律相談は、弁護士にとってより報酬の大きい個別の事件の受任窓口にすぎません。スカイプ法律相談では事件の受任が困難な遠方からも顧客がくるので、受任率は対面の法律相談とはくらべものにならないくらい低くなってしまうでしょう。そうすると、弁護士にとっては地元の顧客限定で無料相談でもやっている方がよっぽどマシなわけです。

スカイプ法律相談は需要がない

スカイプ法律相談を利用する顧客の需要というものは、法律事務所に直接訪れるほどではないけど、ちょっと専門家の意見を聴きたいという程度のものです。この程度の需要をみたすサービスとしては、既に弁護士ドットコムの法律相談サービスがあります。簡単な法律相談であれば、弁護士ドットコムに質問を投稿すれば弁護士が実名で回答をくれます。しかも無料です。このようにスカイプ法律相談における顧客の需要については既に無料の代替サービスが存在するため、わざわざ金を払ってまでスカイプ法律相談をしたいという需要はほとんどありません。

以上のようにスカイプ法律相談には、供給側にも利用者側にもあまりメリットがなく、今後も流行ることはないでしょう。