法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

忘れてもいいんじゃないの?

今日は東日本大震災が起こってちょうど4年目ですね。こういった大災害があった日がくると、毎年、「忘れてはいけない。」とか「風化させてはいけない。」といった論調のメディア記事が大量に出されます。

これは自然災害だけでなく、事故だったり、戦争だったり、はたまた差別の歴史だったりしても同じように「忘れてはいけない。」のオンパレードです。

しかし、そもそもなぜ人は強烈に記憶に残りそうな悲惨なできごとを忘れてしまうのでしょうか。その辺の仕組みは脳科学者に説明をゆだねるとして、やはり悲惨なできごとが頭の中で何度も再生されてしまっては、常に落ち込んだ気分になって病んでしまうというのが大きいのだと思います。

ある意味、忘れるということは人が自然に持つ防衛機能なのでしょう。人の自然のふるまいとしては、忘れるというのが正しいあり方なのかもしれません。

ところで、受験勉強なんかを真面目にやった人は、あることを長期記憶に残す方法はよく知っていると思います。そう、繰り返し脳にたたきこむことですね。何度も繰り返すことで記憶はますます強化されます。

毎年のように、災害の状況を繰り返し放送したりするのは、まさに長期記憶に残すのに役立つものですね。これは戦争だったり、差別の歴史だったりしても同じことです。

でも、毎年それを思い出させて得する人っているのでしょうか。たいがいな人は無駄にブルーな気持ちになるだけじゃないでしょうか。

過去のできごとを教訓にするということは重要だと思いますが、それはそれで別途教育したり、ノウハウとして貯めておけばいいだけで、毎年のように人に思い出させるということとは別にできそうです。

というわけで、無理に思い出させなくとも、忘れたい人には忘れさせてあげた方がいいこともあるんじゃないでしょうか。