日本の出生率は世界でも最低水準で、このまま低出生率が続けば人口は減少し、衰退の一途をたどることになる。政府は出生率を上げようと奔走しているが、劇的な成果は出ていない。
日本では、子供は結婚をしてから生むというのがある種の常識のようになってしまっている。僕は別にできちゃった婚でもなんでもよいと思うが、世間のできちゃった婚への差別の目は厳しいというのが現実だろう。最近はおめでた婚などといわれるようだが、ズッ婚バッ婚という呼称もあるなど偏見の目があることは明らかである。
できちゃった婚をする層は、出生率との関係では手当の必要がないと思われる。問題なのは、結婚してから子供を産むべきと考えている昔ながらの価値観を持っている層である。
結婚してから子供を産むべきと考えている層は、親や周囲からそのような価値観を受け継いでいると思われ、社会的には中間層以上に属する人たちが多いと思う。そんな彼らが結婚するのにハードルとなるのは結婚式と披露宴である。
結婚してから子供を産むべきと考えている層は、あわせて結婚式と披露宴もしなければならないと考えている層であることが多いと思われる。少なくとも、彼らあるいは彼らの親族のどちらかは結婚式・披露宴をするのが常識だと考えているだろう。
しかし、結婚式や披露宴には数百万円の費用がかかり、この費用を用意できるようになるまで結婚はできないという人たちが出てくる。交際期間がそこそこ長いカップルに「結婚しないの?」と聞くと、「もうちょっと金が貯まってからだね」と返ってくることも多いだろう。
この結婚費用をためるための数年が、出生率との関係では命取りになる。女性の出産可能期間というのは限度があるので数年の差が1人以上の子供の数の差になりうるのである。
そのため、結婚式や披露宴をせずともカジュアルに結婚できる文化が浸透すれば、結婚年齢も若まり、出生率も上がると考えられる。