法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

藤沢数希「ぼくは愛を証明しようと思う。」(読書)

藤沢数希氏の小説「ぼくは愛を証明しようと思う。」を読んだ。

本書は文学書でありながら数希氏の創出した「恋愛工学」のエッセンスを垣間見ることができるようになっている。

小説の組み立てとしては、堀江貴文氏の「拝金」、稲田将人氏の「戦略参謀」に近い。最初はイケていない主人公が、良き師に出会うことで成長していく過程が描かれている。

この手のストーリーの小説は、成長をした主人公が最後に得たものは何だったかということを著者がどう表現できるかが作品の格を決めるといってよい。その点、藤沢氏はみごとに答えを出したといってよいだろう。小説「ぼくは愛を証明しようと思う。」は、単なる恋愛マニュアル本にとどまることなく、日本文学に昇華した。

残念なのは小説の表紙の帯だ。帯には売るための宣伝文句がごちゃごちゃと書いてあり、いかにも安っぽい。書店で本書を初めて見る客をキャッチするためには仕方がないのかもしれないが、ここはもう少し作品の格を上げるための工夫をしてほしいところである。

本書は、数希氏のメルマガである「週刊金融日記」で積み重ねてきた恋愛工学の知見がベースとなっている。同メルマガは2012年4月創刊で、3年以上も続くベストセラーメルマガである。現在までに蓄積された膨大な量のメルマガを読み込むのは一大苦労であるので、同メルマガのエッセンスが詰まった本書の価値は極めて高い。同メルマガは1か月あたり800円(税抜)であるので、同メルマガのバックナンバーを全部読もうと思えば38×800=30400円+税が必要である。それが、本書では1400円+税でエッセンスを学ぶことができるので、本書は極めてお買い得といえるだろう。

もちろん、学問は一日にしてならずといわれるように、恋愛工学も一冊にしてならないのはいうまでもない。

本書で恋愛工学に興味をもった読者は、数希氏のメルマガを購読したり、バックナンバーを読み込むことで恋愛工学が発展するまでの先人たちの苦悩、恋愛工学の奥深さを知ることができるだろう。

そして何よりも重要なことは行動をおこすことである。本書やメルマガを読んだ読者のうち、実際に恋愛工学を実践に移す者はせいぜい数パーセントいるかいないかである。その数パーセントになれるかいなかで今後の人生は大きく変わる。