法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

ミクロ的にはアホには関わらないのが正しい

正直者がバカをみる的な腹立たしい事件が京王線新宿駅であったようです。

京王線新宿駅で列に割り込んだ母娘が注意した男性を痴漢呼ばわりしトラブル?『Twitter』で目撃者多数 - Ameba News [アメーバニュース]

京王線新宿駅で列に割り込んだ母娘 注意した男性を痴漢呼ばわり? - cureco beta

電車に乗車する際割り込みをしようとした母娘2人組みを制止しようとした男性が痴漢呼ばわりされて駅員に連行されようとされていた模様です。ツイッター上で詳細な証言がされています。

制止行為をした男性2人のうち1人は無事逃げ切ったようですが、1人は連行されてそうですね。その後、めんどくさい事情聴取などに付き合わされたのでしょう。

今回は幸いにも痴漢行為はなかったと周りの乗客が証言してくれたようですが、そういった証言をしてくれる乗客がいなかったら、この男性たちの立場はかなり悪くなったことでしょう。最悪の場合、逮捕などの身柄拘束です。

電車の乗車の際の割り込みは明らかなルール違反、マナー違反です。この男性たちは正義感が強かったのでしょう。割り込み母娘を注意し、その行為を制止すること自体は、倫理的に正しいか否かでいったら圧倒的に正しいです。彼らのように注意をしてくれる大人がいるおかげで、マクロ的にみれば社会は良い方向に向かいます。

しかし、僕がその場にいたとしたらそんなアホ母娘は我関せずとして無視してしまうでしょうね。

結果からみれば、この男性たちは、割り込み母娘に関わったせいで貴重な時間を相当程度失ってしまいました。運が悪ければ、痴漢の冤罪で身柄拘束までされてしまうところだったでしょう。もし痴漢で捕まってしまったら、後に冤罪だとわかったとしても、彼らの身分には回復しがたい損害が生じてしまうところでした。彼らだけでなく、彼らの家族まで不幸になります。

ミクロ的にみれば、個人がそんなリスクを犯してまでアホと関わるのは正しくありません。

法律事務所にも、ときおり不正を正したい、悪を駆逐したいなどと考える正義感の強い人たちがくることがあります。彼らは本当に私利私欲ではなく、社会をよくしたいと身銭をきって活動しています。社会をよくする上では彼らのような存在はおそらく必要なのでしょう。

でもそういう人たちをみていると、決してその人たち自身やその家族が幸せそうにはみえないのですよね。そんな悪行を働くアホとは距離をおいて、我関せずでのほほんとしている人たちの方がよっぽど幸せそうにしています。

よっぽど不正を正したりする活動が好きで、それこそが生きがいだという特殊な性格でもない限り、アホには関わらないのが自分も家族も幸せになれると思います。