法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

国選弁護人が逮捕、無理やり被害届を取り下げさせようとした疑い

弁護士が国選弁護人に選任されていた傷害事件の被害者に、無理やり被害届を取り下げさせようとしたとして、強要未遂の疑いで逮捕されたとのニュースが入ってきました。

「告訴取り下げ」迫る弁護士を逮捕 容疑否認 NHKニュース

報道によると、逮捕された弁護士は、被害者やその母親等に手紙を送りつけ、「お前は法廷で証言させられるが何もいいことはない。1日も早く心にもない被害届や告訴を取り下げろ」などと迫ったとして、証人威迫と強要未遂の疑いが持たれているとのことです。

ちなみに逮捕された弁護士は容疑を否認しているそうです。

普通、弁護士が被害者に上のカギカッコでくくられているような文言をそのまま手紙に書くことはありえないので、どういった経緯で強要等の疑いがもたれたのかが不明ですね。逮捕された弁護士は結構ベテランな感じなので、なおさらそのようなことを書くとは考えにくいです。

昨年も、北海道で、傷害事件の加害者が書いた脅迫的な手紙をそのまま被害者に送り付けた弁護士が捜査・懲戒請求を受けていましたが、似たような感じなのでしょうか。今回逮捕された弁護士が「一切関与していない」旨供述していることからすれば、手紙を書いたのは本当にこの弁護士ではないかもしれません。

ちなみに北海道の事件では、弁護士が手紙を確認していなかったとのことで証人威迫事件は不起訴となっています。

被害者に脅迫の手紙を郵送した弁護士を札幌地検が懲戒請求 - 法廷日記

国選弁護人は、報酬は安いし、こういったリスクもあるので個々の弁護士にとってあまりいいことはありませんね。