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法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

ホールインワン保険詐欺でプロゴルファーらが逮捕

cardmicsさんのブログSONOTAでこんなニュースを発見しました。


ニュースによるとプロゴルファーを含む三名のゴルファーがホールインワンをしたと偽り、ホールインワン保険の保険金100万円を保険会社に支払わせたとして詐欺の容疑で逮捕されたとのことです。容疑者から複数回の申請があったことを不審に思った保険会社が警察に相談し事件が発覚したとのことで、3人のうち1人が認め、2人が否認しているそうです。

そもそもホールインワン保険とは?

各保険会社はゴルファー保険という保険商品を販売しています。ゴルファー保険は、ゴルフ中に他人に怪我をさせてしまったり、ゴルフ用品の盗難などを補償する保険商品です。ホールインワンやアルバトロスを達成した場合に行う祝賀会等の費用もなども補償されており、これを指してホールインワン保険などと呼ばれることがあります。ホールインワンを見事達成しちゃうと、祝賀会を開いたりキャディにご祝儀をわたしたりすることが慣習となっているのでその費用が保険の補償内容になっているわけですね。

保険金の支払いには目撃証言が必要

ホールインワンをしたという自己申告さえあれば保険金が支払われるとなると嘘の申告をする人が出てくるかもしれません。そのため、保険金の支払条件としてキャディさんや同伴ゴルファー以外の第三者の目撃証言が要求されています。この辺の詳細は保険会社によって異なるので、保険会社のパンフレットを要チェックですね。かつてキャディ帯同を絶対条件としていた保険会社に対してホールインワンの立証ができれば十分だろという保険者からの保険金請求が紛争になったこともありました(東京地判平成9年10月28日、結局キャディの帯同が必要として請求は棄却)。現在は、ゴルフ場の従業員等の第三者の目撃証言でも保険金の支払いを認める保険会社が多いですが、目撃の有無が争われることもしばしばあります(東京簡判平成18年8月30日)。

ホールインワンをしてないのに保険金を請求したら詐欺に

ホールインワンをしていないのにホールインワンをしたとして保険金を保険会社に請求したら、保険金詐欺となって詐欺罪が成立します。

本件では、容疑者のうち2人が「ホールインワンをした。」と否認しているので、起訴された場合の争点はホールインワンの有無になりそうです。その場合、詐欺罪で有罪にするには検察がホールインワンの不存在を立証しなければなりません。ホールインワンの不存在の立証となるとなかなか困難な気もしますが、逮捕にまで踏み込んだということは捜査機関は確たる証拠をもっているのかもしれません(例えば、祝賀会の領収証等が偽造である証拠=申告された費用の支出がないこと、そもそも容疑者らが当日ゴルフ場にいなかった証拠等)。

今回は容疑者とされているうちの一人が罪を認めているようですので、この人の証言(自白)もある程度強力な証拠になると思われます。あとは彼の証言を裏付ける客観的な証拠(メールのやり取り、偽造された領収証=申告した費用の支出の不存在、そもそも容疑者らがゴルフ場にいなかった証拠等)がどれだけあるかがポイントになりそうです。

今回は被害金額が100万円とそれなりに高額なので、仮に起訴されて否認したまま有罪となれば執行猶予なしの実刑も視野に入ると思います。

ホールインワン保険を狙った詐欺で、プロゴルファー3人が逮捕!…とはいえ、詐欺を立証することは難しいでしょうね、これ。 - SONOTA