法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

エドはるみ氏がネット民に反撃?誹謗中傷に対し法的措置へ

かつて「グ~」のギャグでブレークしたお笑い芸人のエドはるみさんが、ネット上の自身に対する誹謗中傷に関して、発信者情報開示などの法的措置を港国際法律事務所の最所義一弁護士に委任したとのことだ。受任について同弁護士が事務所ホームページで公開している。

エド・はるみ氏への誹謗中傷行為に対する法的手続対応のお知らせ | ニュース | 弁護士に相談なら 弁護士法人港国際法律事務所 (東京・横浜・大阪・神戸・福岡の弁護士事務所)

このように弁護士が事件の受任をネットで発表することは珍しい。新たな誹謗中傷を防ぐのを狙っているのか、単なる事務所のPRなのかはわからないが、このような発表は火に油を注ぐことにもなりかねないので思い切った決断といえるだろう。

最所弁護士によると、エドはるみ氏の芸能人としての仕事が減った理由が先輩芸能人などに横柄な態度をとったからだという事実無根の噂があり、それを発端にエドはるみ氏に対する執拗な誹謗中傷がネット上に掲載されているとのことだ。

芸能人に対する誹謗中傷などによる名誉毀損の損害賠償請求については、週刊誌などのマスメディア事件であればある程度損害額の相場ができてきたが、ネット上の誹謗中傷に対する損害賠償請求がどこまで認められるかは注目したいところだ。

最近ではネットの書き込み者の情報開示のための弁護士費用も加害者に請求可能という裁判例が出ているため、加害者の負担する損害賠償額が高額になることも十分ある。また、ネット上の誹謗中傷は刑法上の名誉毀損罪にもなるので、刑事告訴をした上、告訴取り下げを条件に示談金を獲得することも考えられるだろう。

書き込み者が多数にわたる本件では、損害賠償請求を多数人に連発した場合の損害認定額がいかほどになるかも興味深い。既にネットの誹謗中傷は弁護士のいいビジネスになっているが、さらなる市場拡大が期待できるかもしれない。

もっとも、ネットで違法性のあるような誹謗中傷を書き込むのは暇で金もない学生かニートである場合も多いので、損害賠償請求が認められても債権回収が不能な場合が多いのが難点になるだろう。この点、経済評論家の勝間和代氏もかつて自身に対するネット上の誹謗中傷を書き込んだ相手を特定したことがあったそうだが、自分のこともろくに知らないような学生さんとかだったので、ネットの誹謗中傷を相手にしていても仕方ないと放置するようになったようだ。

エドはるみ氏は本件の落としどころをどこに持っていくのだろうか。今回の発表に対しては宣伝だとの批判も出そうであるが、今後の行方に注目したい。