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法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

食レポブログを始める際に注意しておきたいこと。マイナスの評価は書いてよいのか?

法律論 ブロガーの法律論

ブログ記事で人気が出るのは人間の欲求に関するものらしい。そのため、金儲け、恋愛、食べ物に関するブログというのはアクセス数を稼げるとのことだ。

そのうちグルメブログなんかは、こだわらなければ労力も大してかからずハードルも低い。そのため、グルメ専門といわずとも食レポ記事を書く人も多いだろう。当ブログの食レポ記事もかなり適当に書いたのになかなかのアクセス数を稼いでくれている。

コメダのかき氷食べてきたよ - 法廷日記

ただし、お気軽な食レポ記事でも、店のマイナス評価を書く場合は注意が必要だ。劇的に不味かったものや、怒り心頭の接客の方がネタにしやすいし、人に言わずにはいられなくなるので記事にしてしまいがちだが、場合によっては名誉毀損などになり損害賠償請求や刑事事件になってしまうかもしれない。

実際、お店を経営している人から「悪質な評価サイトのレビューや個人ブログの記事は名誉毀損ではないか、なんとかできないのか」といった相談を受けることは少なくない。

そこで、食レポのマイナス評価が名誉毀損になるか考えてみよう。

民事上と刑事上の名誉毀損の違い

名誉毀損には、民事上の名誉毀損と刑事上の名誉毀損がある。刑事上の名誉毀損は「事実の摘示」が成立要件となるので、具体的な事実を書かない限りは名誉毀損罪は成立しない。

例えば、「この料理はうんこみたいな味がして食べれたもんじゃない。」と書いた場合は、単なる評価に過ぎず事実を摘示していないので刑事上の名誉毀損とはならない。

「この料理に使われていた肉は腐っていた。松坂牛と表示されているが本当はノンブランド和牛だろう。」などと事実を摘示した場合は、刑事上の名誉毀損となる場合がある。

事実の摘示と単なる評価の違いは、客観的にみた場合にそのことが確定できるかどうかである。うんこみたいな味がするかどうかは、客観的には確定できないが、肉が腐っていたかどうか、偽装表示していたかどうかは客観的に確定することができる。

では、事実を摘示しなければマイナス評価も安全なのかというとそうではない。判例は民事上の名誉毀損の成立に必ずしも事実の摘示を要求していないからだ。

セーフな表現、アウトな表現

そうすると、結局どこまでがセーフでどこまでがアウトなのかに問題点は絞られる。

この点については、明確な基準があるわけではないのでなんともいえないのが正直なところだ。上記の「この料理はうんこみたいな味がして食べれたもんじゃない。」みたいな表現は、誹謗中傷する気がまんまんであるのでアウトの可能性が高いだろう。単に「この料理は私の口にあわなかった。」という程度ならセーフの可能性が高い。「料理が不味い」という表現は微妙なところだが、普通の人がそれを読んだ場合、不味いというのは所詮個人の感想という風に思うであろうから、他に攻撃的な文言でもない限りはセーフになる可能性が高いと思われる。

いずれにせよ、お店などの社会的評価を下げるような表現をしてしまった場合は、裁判では表現者が摘示した事実または意見の前提となる事実が真実であること、公共性・公益目的性があることを立証しないと、名誉毀損による損害賠償請求を免れられなくなる。

面倒なことを避けたいなら、お店の人の気持ちも多少は考慮してあげて、マイナスなことは書かない方が無難だろう。