裁判員裁判で検察官の求刑の1.5倍の刑が下された事件が最高裁で破棄されました。
女児虐待死 最高裁判決 直感的評議、戒める 求刑超え一定の歯止め (産経新聞) - Yahoo!ニュース
白木裁判官は補足意見で、裁判員の量刑評議において、同種事件の量刑の先例を考慮に入れて刑を決めなければ、直感によるものになってしまうと裁判員裁判の評議に警鐘をならしています。
言っていることは極めてもっともでしょう。僕もそう思います。
でもさぁ、結局先例重視で今まで通りの量刑に収めるんだったら、裁判員裁判やる必要なくないですか。
裁判員裁判にはとてつもない労力と費用がかけられています。結局上訴審でこれまで通りに、裁判官によって裁判官の常識にそった結論にするならコストをかけてまでやる必要ないでしょう。
あまり知られていないかもしれませんが、裁判員裁判にはとてつもない労力がかけられています。
裁判員選任にかかるコスト
裁判員は事件につき6人(+補欠2人)選出されますが、この6人を選ぶために50人くらいが選考会に呼び出されます。
選考会は平日の昼間に行われるので、仕事がある人は休んで出席しなければなりません。この選考会のせいで日本の労働力が奪われてしまいます。
もちろん来てくれた人にはタダというわけにはいきませんので、日当が支払われます。
ここで失われた労働力や日当支払のための税金は莫大なものになるでしょう。
弁護人、検察官にかかるコスト
裁判員裁判では、素人の裁判員にも理解できるように、弁護人や検察官は普段の裁判では作らないような資料まで作らなければなりません。
検察官なんかは、庁内の検察官を動員してリハーサルまでやっています。時給の高い検察官を普段しないようなリハーサルなどに動員してるのは血税の無駄としかいいようがありません。
弁護人も裁判員裁判は極めて負担が大きいので、その報酬は通常の裁判に比べてもかなり高く設定されています(それでも割には合いませんが)。国選弁護事件であれば、弁護人に支払う報酬はもちろん血税から支払われます。
裁判官にかかるコスト
裁判官も裁判員裁判のときは大忙しになります。裁判員の選考、裁判員との評議など普段の事件ではしなくていい仕事がどっと増えます。裁判員裁判中の裁判官にとっては裁判員裁判の仕事が最優先事項になるので、他の仕事が後回しになってしまいます。
公務員の中でも最高クラスに時給の高い裁判官を、裁判員との裁判官ごっこに付き合わせるのは、血税の無駄以外のなにものでもないでしょう。
これだけコストをかけても結局上で覆る
これだけのコストをかけても、裁判官様が気に入るような先例主義の判決にならなければ、結局今回のように上訴審でくつがえってしまいます。いったい何のために裁判員裁判をやっているのでしょうか。
こんなくだらない制度さっさとやめてしまえばいいのに