法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

科目を減らすと勉強は楽になるのか

司法試験の択一の科目が現行の7科目から3科目になる法案が成立したようですね。ついでに3回の受験制限も5回に緩和されたようです。

司法試験の受験機会の制限を緩和する司法試験法改正案が28日、参院本会議で可決・成立した。法科大学院を修了した人が、修了後5年以内に受験できる回数を現行の「3回まで」から「5回まで」にする。

(中略)

改正法は、来年度の司法試験から適用される。すでに3回不合格になった人でも「修了後5年以内」であれば再受験できる。また、受験生の負担を軽くするために受験科目も変更した。六法と行政法を課していた短答式試験憲法民法、刑法の三つに減らす。

引用元:司法試験、受験5回まで可能に 改正法が成立 (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

受験生の負担を軽くするために受験科目を減らしたそうですが、実際にこれで受験生の負担は減るのでしょうか。

受験勉強を経験したことがある人はわかると思うのですが、100点満点の試験で80点くらいをとるとこまでは割とどの科目でも簡単です。しかし、80点を90点や95点にしようとすると、80点取れるまでにした勉強時間の倍くらい時間を費やさないとなかなか点を上げれません。80点あたりのところに一つの壁があるわけですね。

ですので、試験対策としては全科目でコンスタントに80点を目指す勉強の方が、特定の科目で点を引っ張ろうとするよりもはるかに効率がいいわけです。

現行の司法試験の択一も、7科目で6割ちょっととれれば受かるようなザル試験だったわけですが、科目が3科目に絞られると1科目あたりの難易度は上がることが予想されます。そのため、3科目の勉強精度を上の例でいうところの90点を目指すようなものにレベルを上げなければならなくなり、受験生の負担はかえって増えてしまいそうです。

現に、もともと3科目だった旧司法試験の択一試験の方が、現行の7科目の司法試験よりはるかに難しかったわけですからね。司法試験は、しょせんは相対試験なので他の受験生のレベル次第なところもあるわけですが、回数制限も緩和されたそうなので、今後司法試験は難化する方向へ向かう可能性が高いでしょう。