法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

愛知県警本部警部がストーカー容疑

こんなニュースが入ってきました。

愛知県警本部に勤める男性警部(45)が、名古屋駅名古屋市中村区)の構内で20代の女性につきまとったなどとして、県警がこの警部をストーカー規制法違反容疑で書類送検する方針を固めたことがわかった。懲戒処分も検討している。捜査関係者によると、警部は施設課所属で、名古屋駅で見かけた20代の女性に好意を抱き、繰り返しつきまとった疑いがある。女性が今年春ごろ、「男にじろじろ見られている」と中村署に相談。女性は以前からつきまとわれ、声をかけられたこともあり、不安を感じていたという。そのため捜査員が名古屋駅で見張っていたところ、警部が姿を現した。 県警はその後、ストーカー規制法違反の疑いがあるとして、警部につきまとわないよう警告。ストーカー行為は止まったという。任意の調べに対し、容疑を認めているという。

引用元:愛知県警の警部、ストーカー容疑で書類送検へ (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

ストーカー規制法については以前にも書いています。

携帯メール6回で逮捕されたストーカーさん - 法廷日記

ストーカー規制法違反は、社会的身分の高い人でも犯しがちな犯罪の一つですね。ストーカー規制法違反自体は、法定刑が最大でも懲役1年以下と軽い部類の犯罪です。しかも、法定刑が懲役1年になるのは、同法に基づく禁止命令を受けていた場合なので、そうでなければ懲役6ヶ月が法定刑になります。禁止命令が出されるのは、同法に基づく警告に反してストーカー行為を続けているような悪質な場合です。

13条

1 ストーカー行為をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

14条

1 禁止命令等(第五条第一項第一号に係るものに限る。以下同じ。)に違反してストーカー行為をした者は一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

法定刑が軽いとはいえ、実名報道された場合の影響は懲役1年どころではありません。身分が高い人ほどダメージが大きいでしょう。この警部さんは、幸い実名報道はされなかったみたいですが、所属や年齢などで転職の際にばれてしまうかもしれませんね。少なくとも、いつばれるかわからない恐怖を持ち続けることになってしまいます。

ただ、ストーカー規制法違反は権力者側が濫用しようと思えばできなくもないので警告でストーカー行為が止んでいる事案で報道までしちゃうのはどうかなとは思います。日頃ナンパに励んでいる人も特定のターゲットに繰り返し声掛けしてしまうと、ストーカー行為と判断されかねないので注意しましょう。

(適用上の注意)

16条 この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。