法廷日記

浦部孝法の日記です。時事問題、法律問題に関して適当に書いています。

トイレ盗撮と成立する犯罪

法務省幹部が省内でトイレ盗撮をした疑いで事情聴取を受けているとのニュースが出ていますね。

法務省幹部を事情聴取 トイレで盗撮か NHKニュース

この法務省幹部は、裁判官からの出向組のようです。裁判官がおこす事件は下系のものが多いですね。

盗撮をした場合は、各都道府県の迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反に問われる可能性があります。また、男性が女子トイレに忍び込んで盗撮カメラをしかけて盗撮した場合などは建造物侵入罪も成立します。これは、たとえ男性が勤めている会社の社内の女子トイレであっても同様です。なぜなら、社内であっても、男性の女子トイレの立ち入りは建物の管理者が認めていないからです。

迷惑防止条例について、東京都の迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)は盗撮の罪を次のように定めています。

5条2号

何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。

公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

軽犯罪法については、下記のように、盗撮を直接規制しているわけではないのですが、覗き見を規制しています。

1条23号

正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

盗撮によって成立する犯罪では、いずれも窃盗や傷害などに比べて重い法定刑は用意されておらず、初犯で実刑になることはまずありません。しかし、実名報道された場合の社会的制裁は、法定刑の比になりませんのでご注意を。